ラング・ド・シャ・ブリュレ

ネガティブなひとに捧げる、明日を楽しく生きられるように!のブログ。「ラング・ド・シャ・ブリュレ」の日本語訳は「猫の舌・焦がす」です。

【喫茶レポ】過去を大切に飾る

持病の治療のために東大前によく行くのですが、前から気になっていた喫茶店がありました。

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東京大学のキャンパスが連なる大通りからひょっこり横道を覗くと、赤い「カレーライス」がこっちを見ています。

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「万定フルーツパーラー」という名前だけど、今は喫茶店として営業しているみたい。下調べによると、100年以上続くお店とのことです。

 

赤と黄色のシマシマのテントをくぐって店内へ入ると、店主のお姉様が、

「こちらの方が涼しいですよ~」

と席をおすすめしてくれました。

 

入り口に「カレーライス、ハヤシライス、味に定評」と書いてあったので、カレーライスとアイスコーヒーを注文。
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スパイスのいい匂いと、古い建物独特の懐かしい匂いが混ざりあって、別の時代を生きている気分になります。

 

ご飯に染み込むサラサラとしたカレー、100年前の盛況が目に浮かぶU字型のカウンター、ガタガタと大きな音をたてる「1銭」まで入力できるレジスター。

 

おばあちゃんの作ったカレーってこんな味だったかもなぁ、と思いながら、モグモグと大正・昭和を噛み締めました。

 

そんな「万定フルーツパーラー」で考えたことは、過去は美しいということ。

 

過去を美化できるのってある種の才能で、傷ついたことも悲しいこともあったけど、なんだかんだあのころは良かったと思えれば、あとは、生きれば生きるほど味が出て、通った道全部が大切に思える。

 

過去を見てばかりでは今がないけど、(それが辛かろうと悲しかろうと)思い出せる過去があるのは、ちゃんと生きてきた証拠なので、美しく飾ってあげたいな、と思いました。

 

過去にすがるな!とよく言うけれど、執着するのではなく、大切に眺めるぶんにはよいのではないでしょうか。